「うちの子、計算が苦手…」と思ったら ――よくある3つの原因と大人ができる対策――

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「うちの子、どうも計算が苦手で……」

そう感じている保護者の方は少なくありません。
テストでは考え方は合っているのに、なぜかいつも計算ミスケアレスミスが目立つ——。

そういったお子さんに「筆算してごらん」と声をかけると、
「暗算でできるし!」という返事が返ってきたり、
ノートに書かれているのは何がどうなっているのか分からない“筆算らしきもの”。

これは、算数指導の現場で本当によく見かける“あるある”です。

どうやら多くの子どもたちは、

  • 「暗算で素早く解ける=かっこいい」
  • 「筆算は面倒くさい」「時間がかかる」
  • 「途中式なんていらない。答えが出ればOK」

と考えているようです。
しかし実際には、計算が得意な子ほど筆算を丁寧に活用し、着実に正解を出しているのです。

この記事では、計算が苦手な子に共通する3つの特徴と、保護者ができる具体的なサポート方法をご紹介します。


特徴① 計算式や筆算が雑

まず一つ目の特徴は、式や筆算の書き方が非常に雑なことです。
数字がつぶれて読めなかったり、桁がずれていたり……。こうなると正解どころか、どこで間違えたのかすら分からなくなります。「答えがあっているからいいや……」と放置してしまうのではなく、丁寧に書くことを意識づけることは算数のみならず様々な場面で大切になってくるはずです。

対策:

  • ノートをマス目で使わせる(マスを活用して字のサイズを決める、桁がずれないように)
  • 式をていねいに書く練習をする(数字の形もチェック)
  • 保護者が見ても「読み取れる」書き方を日常的に意識させる。

特徴② 一度にいろんな計算をやろうとしている

「頭の中でやった方が早い!」と、加減乗除をまとめてやってしまう子も少なくありません。
その結果、途中の計算過程を飛ばしてしまい、どこで間違えたか自分でもわからなくなるのです。

対策:

  • 1つずつ段階を踏んで計算するよう声かけを。
  • 一行に一工程を意識。
  • 「どこで計算を分けるか」「途中式を書いた方がいい理由」を具体的に伝える。
  • 解き直しのときに「筆算すると、間違いがはっきり見えるね」と一緒に確認。

特徴③ 分数・小数の計算に弱い

「分数や小数になると、とたんにミスが増える……」という子はとても多いです。
その原因の多くは、数の大きさの感覚がつかめていないことや、基本のきまり(通分・約分・位取りなど)があいまいなことにあります。

対策:

  • 「この計算、どっちが大きいと思う?」と感覚的に問う練習
  • 小数⇔分数変換の意味を理解させる(なんとなくじゃなく、図などで)
  • 通分、約分、位取りなど、手続きを意識させる。

親が確認すべきポイントは?

✅ ノートの書き方

→ 数字は読める? 桁がそろっている? 式は途中まで書いている?

✅ 「暗算でやった」と言っていないか

→ 頭の中で全部済ませようとしていない? 途中式を飛ばしてない?

✅ ミスしたときに「どこが違ったのか」を見返せているか

→ 子どもが自分で気づけるように、親も一緒にチェックする習慣を。

普段、子どもたちには下のようなノートの取り方をするように指導しています。もちろんここまで丁寧にできる子は少ないですし、本人の力量に合わせて工程を省略させたりもします。


まとめ:計算が苦手な子には「ゆっくり・ていねいに」が近道

計算が苦手な子どもほど、「早く解くこと」や「暗算」にこだわりすぎる傾向があります。
でも、計算力を育てるために本当に大切なのは、“スピード”よりも“正確さ”と“丁寧さ”です。

筆算を活用し、順を追って計算することができれば、ミスは確実に減り、算数そのものへの苦手意識も軽くなっていきます

まずは、「早くしなさい」ではなく、
「ていねいにやってごらん」「一つずつでいいよ」と声をかけてみてください。

きっと、少しずつお子さんの計算力が変わっていくはずです。

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