【まとめ:アメリカ国立公文書館(NARA)にいってみよう】初日の流れ編

史料調査

いよいよ、現地で史料調査開始!といってもいきなり史料を閲覧できるわけではないので注意!一つ一つこなしていきましょう!


NARAに行く

 NARA(国立公文書館)といっても保管所自体は全米33か所もあります。今回は、本館であるNARA I(ワシントンD.C.)とNARAⅡ(メリーランド州)の二つを対象に書いていきます。階数や場所などはNARAⅡのものです。

NARA Ⅰ(本館)

●所在:700 Pennsylvania Avenue, NW, Washington, DC 20408

●最寄り駅:Archives-Navy Memorial-Penn Quarter駅(グリーンライン・イエローライン)

●公式HP:https://www.archives.gov/dc

NARA Ⅱ(新館)

●所在:8601 Adelphi Road College Park, MD  20740 Truck Deliveries – entrance at 3301 Metzerott Road

●最寄りバス停:Archives II Bldg Rdwy & Main Entrance (C8)

 →NARAⅡへのアクセスに関してはこの記事に詳細が載ってます。

●公式HP:https://www.archives.gov/college-park

●史料の傾向:第一次世界大戦以降の史料が多い。GHQ、日米関係の史料がかなりある。

※ちなみにNARAⅠとNARAⅡの間には、一時間おきにシャトルバスが運行しているので両方とも訪問する予定がある方はぜひ利用してみてください。詳細はこちら☞URL(準備中です)

セキュリティーチェック①&予約の確認(今はないかも)

入口に入るとすぐにセキュリティーチェックがあります。

空港の荷物検査と大体同じです。身に着けているもの、例えば腕時計、鍵、財布、パスポートなどはすべて外さねばならないのでここで忘れ物に注意です。

ここで警備員から予約の確認がされることがあります(コロナ禍中の2022年冬は毎日されました)が、現在は予約が必須ではないのでされないかと思います。2024年夏にNARAⅡにいった際は一度もされませんでした。

☞予約、事前準備に関してはこちら(準備中)

リサーチカード作成

セキュリティーチェックが終わったら、次はリサーチカード作りです。右手側にあるRegistration Room(1000号室)に向かいます。

過去にリサーチカードを作ったことがある人もここでカードの更新手続きをします。過去のカードがあればスムーズですが、パスポート(身分証明書)があれば数分で作成できます。

さて、初めてNARAに調査に来た人はリサーチカード作りが結構大変かもしれません。

利用登録は部屋に備え付けられているPCを使って自分で行うのですが、同時にオリエンテーションを受けなければなりません。結構な文量があり、ちょっとした〇✕問題もあるので頑張りましょう(間違えたらペナルティとかはないのでご安心を!)。

ちなみにオリエンテーションの内容は以下のページから確認可能です。私はNARAでオリエンテーションを受けたので事前に受けるとNARAでのオリエンテーションをスキップできるのかわかりませんが、事前に目を通しておくとかなり楽になるかな、と思います。

Researcher Identification Card Requirements
When you come to a National Archives and Records Administration facility to look at records, you will be issued a resear...

NARAの公式サイトでもリサーチカード作成に10~15分の時間はかかることを想定しておくようにと書かれているので、時間に余裕をもって計画を立てるといいかなと思います。ちなみに私は20分以上かかったような気がします。

オリエンテーションを終えたら受付に終わったことを伝えるとカードを作ってもらえます。その場で写真を撮ったりしますので、しっかり前髪を整えて下さい(笑)

またカードといっても、QRコードのついたちょっと固いレシートみたいなものなので失くしやすいです。(2022年にNARAⅠで作ったときはプラスチックの板に貼ってくれたんだけどなあ)

荷物を預ける

リサーチカードができたら、次はロッカーで荷物を預けます。

地下にロッカールームがあります。

オリエンテーションで学んだ通り、リサーチルームにはいろいろな持ち込み禁止物があります。必要なものだけを取り出して残りは全部ロッカーに預けます。ここで一番大切なのは、25セント硬貨(クオーター)を一枚用意しておくことです!!後で返ってくるので一枚あればOK。

【余談】もしクォーターがなかったら:近くに人がいたら両替をお願いする(Do you have any change?「こまかいのある?」とか聞けば大丈夫そう)か、一階の自販機で崩すという手がある。両替をお願いしているシーンは何回か見かけたし、私も貸したことがある(まだ返されてないけど(笑))一階の自販機は一ドル札を入れても何度も吐き出されてキレそうになったことがあるから、アテにならないかも。NARA行く前にクォーターを何とかしてGETしてください。

→ロッカーの様子

荷物量によるけど、PC、スキャナーと荷物が多い人はそこらへんに転がっているカートを使うのがオススメです。

オンシーズンや午後だとカートは品薄気味になります。あと、キャスターが壊れているのもチラホラあったりします。

NARAⅡで一番寒いのはロッカーだと思う(夏場のエアコンがすさまじい)

セキュリティーチェック②

いよいよリサーチルーム(orコンサルテーション)に向かいたいわけですが、こちらに出入りするにはまた荷物検査を受けねばなりません。

リサーチカード作った部屋の目の前にあるカウンター(一階)で、リサーチカードのスキャンと荷物チェックをします。PCを持ち込む人は係の人にPCをひらいて何も入っていないこと見せてあげて下さい。出るときも同様です。

リサーチルーム(2F)の席確保

荷物が少なかったらそのまま三階で史料請求の準備を始めてもいいのですが、まずはリサーチルームの席を確保するのがおすすめです。

入口入ってすぐのところでまたカウンターがあるので、そこでまたリサーチカードのスキャンをします。以後帰るときまでスキャンの必要はないです。

リサーチルームは大きいのですが、感染症対策で席数が減らされているので午後になるとほぼ満席だったりすることもあります。日当たりのいい席、受付に近い席、コピーセンターに近い席、いろいろあるので好きなところを確保してください。

スタッフが常に巡回しているのでPCなどはそのまま置いたまま離席している人も多く、私もずっと置いたままにしていました。心配な方は貴重品はしっかり持ち歩きましょう。

史料請求相談(3F)

部屋のいたるところにSlipと呼ばれていている、伝票的な紙がおいてあります。これが史料請求用の用紙です。

事前に調べてきた史料の情報を順番に書き込んでいくのですが、Stock,Row, Compartmentといった情報は高確率でオンラインカタログには書いていないので、ズラーと本棚に並んでいるファイルの中から自分の探している史料の書かれているファイルを見つけ出して書き写します。

といっても初見ではかなり難しい作業だと思いますので、アーキビストさんの力を借りましょう!!事前に探してきた史料のカタログページを見せるとスムーズなことが多いです。自力で書いたにせよ、結局アーキビストンさんのチェックとサインが必要になるので、最初はわかるところは自分で埋めてわかんないところはアーキビストさんにお願いすると間違いないんじゃかと思います。

アーキビストさんに申請書(Slip)をチェックしてもらう

先ほども書いたように、アーキビストさんにSlipの不備がないか確認してもらいます。

まれに、ネットで公開されている情報が更新されていなかったりしてSlipを書き直すことになったり(アーキビストさんが手伝ってくれること多し)、実は100箱以上もある史料なのでどの箱が欲しいかとか、追加質問されることもあります。やはり事前に史料について調べておいた方がいいです。

無事チェックとサインをもらえたら、自分の名前と申請日を書くように指示されるので書き、アーキビストさんにお礼を言って二階のリサーチルームに戻ります。(NARAⅠはそのままアーキビストさんに提出することになっているのでそのまま渡してください。)

申請書(Slip)を提出

二階のリサーチルームに戻り部屋の中央部にあるスタッフカウンターにSlipを提出します。

史料はすぐ出てくるわけではなく、長いと1時間から1時間半ぐらいはかかるので要注意です。

近くにモニターがに自分の名前が表示されるまで気長に待ちましょう。私はこの待ち時間で3階でアーキビストさんと次の史料の相談をしたり、カタログを読んだり、お昼を食べたりしていました。結構待ち時間が多いので時間に余裕を持って調査計画を立てるとよいです。

史料の受け取り

モニターに自分の名前が表示されたらSlipを提出したカウンターに行き、史料を引き出したいことを伝えましょう。ちょっとせっかちなスタッフさんだと、話す前に「リサーチカードスキャンせい」って言ってくるときもあります(私が英語苦手だからかも)。そうすると提出したSlipの転写紙(ピンク色)の裏に日付、引き出した時間、イニシャルを書くように指示されるので書き込みましょう。

カウンター近くにラミネートされた栞みたいなのがあるので忘れずもらっていきましょう

この栞は史料の順番がぐちゃぐちゃにならないようにするために挟んで使います(右写真)。

時折使い忘れて注意されている人を見かけるので忘れずに!

撮影許可をもらいに行く

さてようやく史料が手元にやってきて早く史料を見たい!と思って、見る&撮影を始めてはあきまへんよ。

今度は後ろにある左右どちらかのカウンターに行ってDocument & Equipment Confirmationと書かれた色紙をもらいに行きます。これは撮影許可証的なもので、照明器具についているビニールの袋に入れて許可を得たことを示さねばなりません。毎日色が変わるので、毎日もらいに行ってください。

また、史料によっては機密指定語が含まれているなどしてDeclassification Slug(Declass Slug)という付箋紙サイズの小さな紙が必要になるので、この紙をもらい一緒に撮影してください。必要であればスタッフさんが紙と名前の記入を促してくれるかと思いますが、もし不安ならスタッフさんに「Declass Slugは必要かな?」と聞いてみるといいと思います。

史料の閲覧、撮影

さてようやく閲覧と撮影タイムです。初日だとスムーズにいってこの時点で11時ぐらいでしょうか。

オリエンテーションで学んだ注意事項を守りながら頑張りましょう!

史料の返却・キープ手続きなど

資料を閲覧し終えたり、今日はもう帰るというときは、史料を受け取ったカウンターに返しに行きます。

受付で「Refile or Hold?」と聞かれるので、

返却したい→Reflie, Please.

キープして明日以降も見たい→Hold, please.

と回答するとスムーズです。再びslipに時間と返却時間を記入しますが、返却する場合は最後にハンコが押されてそこにもイニシャルと日付を書きます。ハンコ押されたら返却ってことです。

無事返却がすんだら、Document & Equipment Confirmation(色紙)、Declass Slug(あれば)、栞、そのほか借りたものを返却し、机をふきふきして帰ります。

最後帰るときは、出口のカウンターで荷物チェックとカードのスキャンをし、1階でまた荷物チェックをしてロッカーに戻ります。

閉館時間は17時ですが、17時まで作業をしていていいということではなく、17時にNARA自体の業務がすべて終わるという感じなので16時半ぐらいにはお片付け作業に入った方がいいです。返却カウンターもめちゃくちゃ混むので、シャトルバスを利用したい人などはお早めに!

帰宅

1日お疲れ様でした!

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